若月陽子 展示会

10月20日(金)〜26日(木)
<草むら・考> 私のすぐ足元にある 何気ない叢の奥は深く 蒸れた土の呼吸呼吸 靄の向こうに透ける 虫の羽音と葉脈の翳り アスファルトの路上や 整備された花壇にはない 生きた土の汗ばむ声を 耳をくっつけて 聴いたことがある。 そんなことを思い出しながら、
若月陽子展~ 木口木版画 を見る。 雁皮に細やかに刷り込まれた 若月さんの木口作品には 蠢く命がしたたかに棲息する。 そしてなぜだか幽かに仄かに ホルマリンの罪深い匂いが 記憶の薄紙に染みを残すんだ。
(コピーライター岩田舞海)